お金を増やしたい。
そう思っている人はたくさんいます。わたしもそのひとりです。
でも少し立ち止まって考えてみると、「増やしたい」とは思っていても、「いつまでに」「いくら」「何のために」が曖昧なまま走り出している人がほとんどではないでしょうか。
かつてのわたしがまさにそうでした。
会社員としてSEのキャリアを4年積んだあと、フリーランスとして独立しました。独立当初は収入が半分以下になりました。そこからじわじわと積み上げて、最近やっと新卒くらいの水準まで戻ってきたところです。でもあるとき気づいたんです。気づけば仕事は1社からしか来ていない。それって、会社員と何が違うんだろう、と。
会社に依存しない生き方を目指していたはずなのに、依存先が「会社」から「クライアント1社」に変わっただけ。船に乗り換えたと思ったら、同じ海を漂っていただけだったような感覚がありました。
収入の軸を増やしたい。そう思ったとき、真っ先にやるべきことは「副業を探すこと」ではないとわたしは思っています。
まず決めるべきは、目的地です。
この記事は、これから全6回にわたってお届けするシリーズの第1弾です。わたし自身も一緒に考えながら書いていきます。正解を教える記事ではなく、一緒に歩いていく記事にしたいと思っています。
目的地がないまま走り出すとどうなるか

副業を始めても続かない人の共通点
副業に挑戦したことがある人に話を聞くと、「続かなかった」という声をよく耳にします。
クラウドソーシングに登録してみた。でも単価が低くて割に合わない気がしてやめた。ブログを始めてみた。3ヶ月書いて収益ゼロで心が折れた。そういう話です。
続かなかった理由を「意志が弱かった」「向いていなかった」で片付けてしまうのは、少し違うとわたしは思っています。
続かなかった本当の理由のひとつは、「なぜそれをやるのか」が自分の中で明確になっていなかったからではないでしょうか。
目的地がなければ、どこに向かっているかわからない。わからないから、少し疲れたり、成果が出なかったりしたときに「これは違うかもしれない」と感じてしまう。そして手を止める。
これは意志の問題ではなく、設計の問題です。
「とりあえず副業」が失敗する理由
副業ブームと言われる時代になりました。会社員でも副業を持つ人が増えています。情報も溢れています。
でも情報が多いほど、選択肢が増えるほど、人は迷いやすくなります。
「ライターがいい」「動画編集が稼げる」「せどりは今でも稼げる」「いや投資が正解だ」——そういう情報を見ていると、何から手をつければいいかわからなくなる。
「とりあえず副業」が機能しない理由はここにあります。目的地がないまま「稼げそうなもの」を選ぶと、自分の価値観やライフスタイルとズレた選択をしてしまいます。稼げたとしても、「なんか違う」という感覚が残る。
目的地が先、手段は後。この順番が大切です。
お金を増やしたい「本当の理由」を掘り下げる

「いくら欲しいか」より先に「何のために欲しいか」
「収入を増やしたい」という気持ちの奥には、必ず具体的なイメージがあるはずです。
- 旅行に自由に行きたい。
- 住む場所を自分で選びたい。
- 家族との時間を削らずに働きたい。
- 誰かのキャリアをそばで支えられる余裕を持ちたい。
- 子どもにやりたいことをやらせてあげたい。
お金は手段です。目的ではない。でも、その手段の先に何があるかをイメージしていないと、「いくら稼げばいいか」も決められません。
わたし自身が最近やったのは、「お金が十分にある状態の1日」を具体的に想像することでした。何時に起きて、誰と何をして、どんな空間にいるか。その解像度を上げていくと、自然と「それにはいくら必要か」が見えてきます。
目的地の解像度を上げる3つの問い
目的地を明確にするために、わたしが自分に問いかけた3つの質問を紹介します。
① 「お金の不安がなくなったら、何をしたいか?」
これが一番シンプルで、一番本質的な問いだと感じました。旅行、学び、時間の使い方、人との関わり方——お金の制約がなくなったときに残るものが、自分が本当に大切にしていることです。
② 「1ヶ月にいくらあれば、その生活ができるか?」
理想の生活を具体的に積み上げていくと、必要な金額が見えてきます。住居費、生活費、自由に使えるお金、旅行の積立、将来への備え。項目ごとに書き出してみると、「月にXX万円あれば十分だ」という数字が出てきます。
③ 「それをいつまでに実現したいか?」
期限がないゴールは、ゴールではなく夢です。夢を目標に変えるためには、「いつまでに」が必要です。
わたしが自分に問いかけてみた結果
この3つの問いに正直に向き合った結果、わたしの目的地はこう言語化できました。
「1.5年後(2028年初頭)までに、月収50万円(売上ベース)を安定して得られる状態にする」
内訳を積み上げると、住居費・生活費・積立・投資・税金などを合わせて月に約50万円の収入が必要だという計算になりました。現在の月収は25万円。つまり18ヶ月で2倍にする必要があります。
これを最初に見たとき、正直かなり遠い数字に感じました。でも「目的地が決まった」という感覚は、不思議と焦りではなく、少しの安心感をもたらしてくれました。どこに向かえばいいかが決まったから、地図を描き始められる気がしたんです。
目的地の決め方・具体的なステップ

ゴールを「金額」「期限」「理由」の3点で書き出す
目的地を決めるのに、完璧な答えは必要ありません。今の自分が「これだ」と思えるものを書き出すことが大切です。
以下の3つをノートやメモアプリに書いてみてください。
- 金額:月にいくら必要か(理想の生活費を積み上げて計算する)
- 期限:いつまでに達成したいか(具体的な年月で書く)
- 理由:なぜその金額・その時期なのか(「子どもが◯歳になるまでに」など)
この3点が揃ったとき、「目標」になります。どれかひとつでも欠けていると、「なんとなくそうなれたらいいな」という願望のままです。
「最高の状態」を想像してみる
『神メンタル』という本に、印象的な考え方があります。目標を達成した「最高の状態」を先に決めることが、行動の起点になるという考え方です。
「どうすれば達成できるか」より先に「達成したらどうなっているか」を明確にする。方法は後から考える。まずゴールのイメージを鮮明にすることが、脳と行動を動かす出発点になるという話です。
これを読んだとき、「目的地を決めることへの迷い」が少し解消されました。完璧な計画がなくても、目的地さえ決まれば動き出せる。逆に言えば、目的地が決まっていなければ、どんなに情報を集めても動き出しにくい。
もしまだ読んでいなければ、このシリーズと並行して読むと理解が深まるのでおすすめです。
📚 この記事で紹介している本
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目的地は変わっていい、でも今決めることに意味がある
「でも、目標って途中で変わりますよね?」という声をよく聞きます。
変わっていいんです。むしろ変わって当然です。状況が変わったり、価値観が深まったりすれば、目的地も更新されます。
大切なのは、「今の自分が思う最高の状態」を一度言語化してみることです。曖昧なままにしておくより、一度書き出した方が、軌道修正もしやすくなります。
このシリーズで、一緒にやること

全6弾のロードマップ
この記事はシリーズの第1弾です。全体の地図を共有しておきます。
- 第1弾(この記事):目的地を明確にする
- 第2弾:自分はできると信じる力――自己効力感を持つことの大切さ
- 第3弾:人間力を高める――「この人にお願いしたい」と思われる存在になるには
- 第4弾:社会の変化を読む――産業革命・情報革命・AI革命と副業ブームの関係
- 第5弾:Web業界の潮流分析――これから伸びる領域、変わる仕事
- 第6弾:実際に動く――目的地に向けて、具体的に何をするか
わたし自身もこのシリーズを書きながら、自分の行動を整理していくつもりです。正解を知っている人間が教える記事ではなく、一緒に考えながら進む記事として続けていきます。
あなたの目的地はどこですか?
最後に、読んでくださったあなたに問いかけさせてください。
「金額」「期限」「理由」の3つ、書き出せそうですか?
完璧でなくていいです。「だいたいこのくらい」でいい。まずは数字を書いてみることが、最初の一歩だとわたしは思っています。
次回の第2弾では、目的地が決まったあとの話をします。「自分にできることってなんだろう」という問いと向き合っていきます。
まとめ

- 収入の軸を増やす前に、まず「目的地」を決めることが大切
- 目的地は「金額」「期限」「理由」の3点で言語化する
- 「最高の状態」を先にイメージすることが行動の起点になる
- 目的地は変わっていい。でも今決めることに意味がある
- このシリーズではjasoと一緒に、収入の軸を増やすプロセスを歩んでいく

